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若者の力、シニアの経験を世界の被災地「ふくしま」へ

ふくしま再生の会

<活動報告>

2011年11月

11月5日

10月30日に現場調査をした、KKさん宅裏のミズナラを中心とする広葉樹林に対して再度除染の実証実験を行いました。

除染方法としては、落ち葉(以前の除染後に落葉したもの、ほとんど線量なし)を除染範囲外にかきだした後、竹箒等で表土約2cm剥ぎ取りを実施しました。
目安として樹木の髭根が露出する程度としています。

除染後の土壌の表面線量はバックグラウンドを考慮すると3~5割下がったと思われますが、空間線量は大きく下がりませんでした(除染後の空間線量1.60μSv/h程度)。

樹木の表面は空間線量より若干高い(1.7~1.8μSv/h)程度ですので伐採では大きな効果は見込めないように思われます。

菅野宗夫さんの話によると、広葉樹については今年の水あげは終わっていることと根が牛蒡根のため、表面の髭根をこの時期に痛めつけるのは大きな問題とはならないとのこと。
また、針葉樹については、根が土壌表面近くにしか張っていないので今回の手法は使えないと思われるとのことでした。
今回のような除染作業の後で土壌表面を固めて取る手法の併用が有効?

なお、除染前後の土壌サンプルを持ち帰りましたので、Ge検出器を用いた元素分析を行ってみる予定です。こちらの分析結果についてはしばらくお待ちください。

除染前の線量(落ち葉あり土壌表面)1:場所によってばらつきあり

TGS-121(γ):0.9~1.3μSv/h
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はかるくんII(β):115~190cpm
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除染前の線量(落ち葉あり土壌表面)2

TGS-121(γ):0.9~1.3μSv/h
(クリックで拡大)
はかるくんII(β):115~190cpm
(クリックで拡大)

剥ぎ取り量の決定1(土壌表面から約10cm除去):ほぼバックグラウンド=3/11前の状態

TGS-121(β):0.3~0.5μSv/h
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はかるくんII(β):30~40cpm
(クリックで拡大)

剥ぎ取り量の決定2(土壌表面から約2cm除去):樹木のひげ根が露出する程度

TGS-121(β):0.6~0.8μSv/h
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はかるくんII(β):40~60cpm
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除染後の状況:場所によってばらつきあり

TGS-121(β):0.6~1.0μSv/h
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はかるくんII(β):80~120cpm
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除染レポート:地面の線量測定(PDF 823KB)
除染レポート:再除染前後の線量比較(PDF 49KB)

(郡司氏他のレポートを元に小川が構成)

11月12日

山津見神社例大祭(クリックで拡大)
山津見神社でのミニコンサート
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松川第一仮設住宅でのミニコンサート
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11月12日は飯舘村佐須地区にある山津見神社の例大祭が行われました。山津見神社は「山の神」として全国的にも知られる神社です。
例年であれば3日間行われる例大祭では、参道に数十軒の夜店が並び、3万人の参拝客で賑わうそうです。
今年は原発事故による放射能汚染のこともあり、開催自体が危ぶまれましたが、参拝を希望する崇拝者も多く1日だけ行われることになりました。

ふくしま再生の会では、神社のお許しと佐須地区の方々のご協力を得て、境内下の駐車場の一角で「いいたて再生祈念 ミニ・チェロコンサート」を開催しました。
演奏は、長年ドイツのカイザースラウテルン市オペラ劇場の首席チェロ奏者として活躍された野瀬正彦さんです。バッハの「G線上のアリア」などクラッシックの他、「新相馬節」や「上を向いて歩こう」など多彩な曲目の演奏に野瀬さんのお話も交えて、楽しい演奏会になりました。

午後には、会場を福島市の松川第一仮設住宅に移し、同じようにミニ・チェロコンサートを開催しました(ただし、選曲はかなり変わりました)。仮設住宅にお住いの方々はお年寄りが多く、半分ほどは一人住まいの方々ですが、ここでも30人近くの方々に集まっていただきました。

データセンター(クリックで拡大)

松川住宅でのコンサートの間、IT基盤整備班は、データセンターの整備を行いました。
拠点となっている農家には光回線が引き込まれており、サーバーが接続されています。今後はさらに、放射線モニターなどの機器が増設されていく計画です。
ケーブル類も雑然としてきましたので、今後の拡張に備えてラックを置き、機器を整理しました。
現在、車載型のGPS測位機能付き放射線モニターの計測データは、docomo回線を経由して随時このサーバーに集められています。今後は、計測データをリアルタイムにWeb上で確認できるよう、ソフトウェアの整備をしていきます。

モニタリングポスト設置箇所のロケハン
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水田実験箇所の下見
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同じく松川住宅でのコンサートの間に、放射線計測班は、東大の溝口教授らの研究グループとともに、定点観測用のモニタリングポスト設置箇所と、水田に水をはることによる遮蔽効果の実験を行う箇所のロケハンを行いました。

(報告:小川)

参加者(若林さん)による計測レポート:ウクライナ製線量計Terra-PとMr.Gammaとの比較を含む(PDF 147KB)

今回の活動は、河北新報・寺島英弥さんのWeb記事にも紹介されています。
現代ビジネス「余震の中で新聞を作るVol.39 ~除染に挑む・飯舘 その3」

11月14日

飯舘村で除染モデル実証事業が実施されます。この事業は、国から独立行政法人日本原子力研究開発機構(JAEA)へ委託され、JAEAが実施事業者を公募したものです(飯舘村は大成建設グループが受託)。
この事業では1市町村あたり6億円をかけて特定の区域の除染実証事業が行われます。

ふくしま再生の会では、村民有志と協力し、事業が始まる前に対象となる飯舘村草野地区の線量計測を行いました。
これは、国が実施する除染事業をチェックするための基礎資料となります。

除染モデル事業地区(飯舘村草野地区)

除染モデル事業地区の線量(クリックで拡大)
PDF版(880KB)はこちら(PDF版には「立体版」もあります)

(この放射線マップは、ふくしま再生の会の会員である吉澤さんが開発したGPS測位機能付き携帯型放射線モニターを使って、飯舘村村民有志が計測したデータに基づき作成されました。)

(報告:小川)

11月19日

虎捕太鼓(銀座文祥堂ホール)
虎捕太鼓(築地本願寺)
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しめ縄づくりの実演
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飯舘村佐須地区にある山津見神社に伝わる伝説によれば、900年ほど前、この地域に橘墨虎という乱暴者がおり、村人を困らせていました。これを退治しようとした源頼義は、なかなか墨虎を捕まえることができなかったのですが、ある日、神のお告げにより白狼の足跡を辿っていったところ、山の洞穴に潜む墨虎を見つけ、退治することができたと伝えられています。このため、山津見神社では狼は神の使者として敬われており、狛犬は狼の姿をしていますし、拝殿の天井にはたくさんの狼の絵が描かれています。

平成10年に、この伝説をモチーフとして村の女性たちが演奏し始めたのが「虎捕(とらとり)太鼓」です。

飯舘村の佐須のみなさん(現在はそれぞれ避難中)が30人ほど東京に来られて、11月19日は銀座文祥堂ホール、20日は築地本願寺の境内で演奏会が行われました。どちらの会場においても、多くの聴衆の前で勇壮な太鼓演奏が披露されました。

本願寺での演奏会は、毎月開かれている「安穏朝市」の特別行事として開催されました。飯舘村は、震災以前から安穏朝市に出店し農産物などを販売していました。今回も手作り味噌などを販売した他、藁を使って正月用のしめ縄を作る実演も行われました(藁は新潟県から出店されている方からご提供いただいたもの)。

実演の後、菅野宗夫さんから、福島第一原子力発電所の事故から現在に至るまでの経緯の報告とともに、この事故は福島だけの問題ではないので、現状をよく知ってほしいというアピールがありました。

(報告:小川)

いわき市線量マップ

いわき市線量マップ
(クリックでPDF(1.2MB)表示)

11月19日と20日、車載型放射線モニターによりいわき市の線量を計測しました。

いわき市線量マップ(PDF 1.2MB)

(計測:大永)

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