活動報告

杉・ヒノキの幹のセシウム濃度

カテゴリ: 報告日:2014/11/18 報告者:admin

報告:内田理+伊井一夫

杉材、ヒノキ材のセシウム濃度

事故の直後、事故現場から放射性物質を含むガスが飯舘村に流れ着き、住居の周辺に植えられている「イグネ」の杉やヒノキに吹き付けられたため、放射性物質が付着した樹皮や葉が放射線源となって周辺の線量に影響を与えているということはわかっていました。
しかし幹の中にどれぐらいの放射性物質が移行しているのかについては、なかなか測定できませんでした。
それは、除染前の住居のイグネを測定のために切り倒すことが困難だったためです。
しかし、現在は除染のためにイグネの杉やヒノキが切り倒されています。これらの幹からサンプルを作成し、含まれる放射性セシウムの濃度を測定しました。

sasuC1photo

sasuA2photo

nenrin

komiyaK2sample

左上の写真のように幹を輪切りにした後、右上のように幹の心を通る角材として、さらに16~17等分した小片をバイアルに詰めて測定用サンプルとしました。
左下の輪切りの半分のイラストは、サンプル番号を模式的に表したものです。

sasuA2

「佐須A2」は、住居の裏のイグネを切り倒した杉で、140cmの高さで輪切りにしたものです。
赤い数値は検出下限値未満を示し値は検出下限値を入れています。

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「佐須C1」は、同じイグネの杉ですが「佐須A2」とは別の木で、切り株から20cmの高さで輪切りにしたものです。

sasuC2

「佐須C2」は、「佐須C1」と同じ木で、C1から150cmの上で輪切りにしたものです。

komiyaK2

「小宮K2」は小宮地区で切り倒されたヒノキです。
「17」番は、樹皮です。

いずれも心材の部分が周辺よりも高く最大で2,000Bq/kg程度という結果でした(樹皮を除く)。
これらが樹種によるのか、どういう経路で心材部にセシウムが移動しているのか、森林の専門家の方ともデータを共有して検討していきたいと考えています。

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